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市長の部屋

平成26年第1回行方市議会定例会施政方針

 本日、ここに平成26年第1回定例会が開会され、平成26年度当初予算をはじめ重要案件のご審議をお願いするにあたり、市政に取り組む所信の一端を申し述べ、議員各位をはじめ市民の皆様のご理解とご支援を賜りたいと存じます。

 昨年10月、市長に就任してから5か月が経過いたしました。就任直後には台風26号による大雨で市内に大きな被害が発生し、また、過日は記録的な大雪に見舞われるなど、自然災害の対応に追われた5か月間でありましたが、平成26年度予算を編成し、このように定例議会を迎えられますことは皆様のご協力の賜物と感謝を申し上げます。

 さて、平成24年12月に発足しました第二次安倍内閣は、政策の最大目標をデフレ脱却による経済の回復に定め、いわゆる3本の矢と呼ばれた、大胆な金融政策・機動的な財政政策・民間投資を喚起する成長戦略を掲げ、その経済政策を進めてきました。この間、安倍政権が打ち出した経済政策によりデフレ状況にも変化が見られ、長引くデフレから反転する兆候があるのではないかとされており、経済の閉塞感から脱却する雰囲気は感じられております。しかし、行方市の市民生活が豊かになったと実感できる状況には未だいたっておりません。更に、この4月から消費税が8パーセントに引き上げられることに不安を持つ市民も多いのではないかと感じております。
 また、東日本大震災以降、防災に対する市民の関心が高まっていたところ、それに追い打ちをかけるように台風26号では、市内に大きな被害が出てしまいました。市民の安全に対する関心はかつてないほど膨らんでおります。原子力発電所の事故により提起されたエネルギー問題など、行方市を取り巻く社会情勢は日々刻々と変化をしております。また、地方分権の議論は活発ではありますが、財政運営においては国の地方財政計画などに大きく左右されることも事実であり、国の施策を常に注意深く見守っていかなくてはなりません。
 このような状況にあっても、私たちは、「子ども達からお年寄りまでが元気に暮らす行方市」「市民が愛着を持って暮らす行方市」を実現していくため、一歩たりとも後退することなく、前進していかなくてはなりません。ここで、平成26年度の市政運営にあたっての重点施策について申し述べます。

 1点目は、「子育て支援・教育の充実」についてでございます。
 まず、医療福祉事業の拡充を図ってまいります。これまでも市単独事業として小学校4年生から6年生までを支給の対象としてまいりましたが、その支給年齢を中学校3年生まで引き上げるとともに、支給に係る所得制限も撤廃してまいります。子育て支援の核となる事業でございますので、ご理解をお願いいたします。続いて、新規の子育て支援策として5歳児交流事業と乳児育児用品等購入費助成事業を実施いたします。5歳児交流事業については、麻生地区、北浦地区そして玉造地区の三地区で、スポーツや遊びを通した交流を図り、義務教育へのスムーズな移行を図りたいと考えております。乳児育児用品等購入費助成事業については、子育て世代の経済的負担を軽減するもので、満1歳までの乳児1人に対し、2万円を上限として助成するものです。また、保育所関連の各補助事業を積極的に取り入れるとともに、学童保育あるいは子ども教室など、これまで実施されてきた事業についても、継続してまいります。特に、学童保育事業においては、この4月から新生玉造小学校が開校し、約650人規模の学校が誕生いたします。それに伴う学童保育も70人を超える児童の利用が見込まれるところでございます。農村環境改善センターを利用いたしますが、児童の安全を第一に捉え、施設の安全や子ども達同士のトラブルなどにも注意を払い、保護者が安心して預けられる学童保育の場にしていきたいと思っております。
 放課後子ども教室については、ジュニアリーダー養成教室、書道教室、陶芸教室さらにキャンプなどの実施を予定しており、伝統文化遺産地域活性化事業などと連携して取り組み、子どもたちの居場所づくり、健全育成に取り組んでまいります。
教育の充実に関しましては、北浦地区の統合小学校について、今年度は造成工事の完了後に建築工事を発注し、28年4月の開校に向けた準備を進めてまいります。また、麻生小学校と北浦中学校に太陽光発電設備を設置いたします。これについては、再生可能エネルギーを利用いたしますので、環境教育に寄与するものと考えております。次に、教育関係では、いじめや不登校への対応も大きな課題でございます。いじめ・不登校の調査を徹底するとともに、教育委員会や教育相談室との連携をスムーズに行い、また、教育現場と福祉部門との連携強化に努めてまいります。  
 また、社会教育関連では、旧麻生中学校跡地に社会体育施設の整備を進めてまいります。26年度は体育館などの解体撤去を行うとともに、施設整備検討委員会を設置して意見を集約しながら、基本設計図書を作成いたします。その後、27年度には実施設計を、28年度には工事の発注に持っていきたいと考えております。
 一方、障害者スポーツ振興の新規事業として、ボッチャとフライングデスクの2種目を競技として普及を図ってまいります。ボッチャはパラリンピックの公式種目であり、ジャックボールと呼ばれる白いボールに、赤、青のそれぞれ6球ずつのボールを投げたり転がしたりしてジャックボールとの距離を競う競技とのことでございます。このスポーツが市内の障害者の皆さんに広く親しまれ、市内から東京パラリンピックに出場する選手が誕生したらと、夢を膨らませております。

 2点目は、「市民が安心して暮らせる社会の実現」についてでございます。
 安心して暮らせる安全な地域社会は、市民が暮らしを営む基本でございます。災害に対して安全であること。食の安全が図られること。安心して老後が迎えられること。必要な医療が受けられること。まさに、安全安心な暮らしは市民の願いでございます。まず、防災の関係では、大規模地震で水道水の供給が停止した場合を想定し、地震後の飲料水と生活用水を確保するため、市内4か所に飲料水兼用耐震性貯水槽を整備してまいります。これは、1基当たり60㎥の容量で、26年度は玉造中学校の敷地に設置し、28年度までに北浦中学校・麻生中学校、麻生東小学校に整備を進めてまいります。また、災害時には要援護者の支援が重要であると考えております。いざ災害が発生した際における、市民の安全を考えた場合には、自助・共助・公助の考え方を浸透させていきたいと考えております。自分の安全は自分で守っていただくことが基本でございます。しかし、自分では身を守ることが困難な要援護者の皆さんへの対応が共助の大きな部分でございます。市でも要援護者台帳を整備しておりますが、まずは、近所の人、そして区長さんや民生委員さんなど、地域の協力なくしては地域で暮らす皆さんの安全は守れないと考えております。そのため、日ごろから確かな地域のコミュニティづくりを進めることこそ、地域で安全に暮らす基本になるものと考えております。
 次に、市民が安心して暮らすための医療の充実についてであります。安心して子育てをするため、安心して老後を過ごすためには医療の充実は欠かせません。本年度は新規の補助金として、公的病院運営補助金を予算化いたしました。これは、地域において必要とされる公的病院への補助金であり、なめがた地域総合病院の救急告示病院部門、小児救急医療提供病院部門、小児医療病床部門への補助として7千7百34万円を予算化いたしました。なめがた地域総合病院は、従事する医師が1名増えて21名になったと聞いております。地域にとって不可欠の医療機関であり、行方市の地域医療の核となる病院でございます。特別交付税により財源措置も手当されておりますので、皆様のご理解をお願いいたします。
 続いて、例年課題となっておりました、健康診査及び各種検診の受診率向上に向けた取り組みでございます。健診を「わかりやすく、受診しやすく」するために、細分化されていた健診を総合健診、住民健診、女性のための健診の3グループにするとともに健診日についても集約して実施いたします。また、健診を受診しやすくするため、市民の自己負担額を減額いたしました。一人でも多くの市民の方が受診していただくよう願うところでございます。また、「食と健康」をテーマとしたイベント等を開催し、市民の健康寿命への意識向上にも努めてまいります。市民の食への意識改革では、食生活改善推進委員の皆様の活躍に大きな期待を寄せており、市民が中心となった意識の改革を望んでおります。さらに、健康を創る対策としてウォーキング大会やシルバーリハビリ体操の推進も引き続き実施してまいります。
 なお、国の政策として実施されます「臨時福祉給付金給付事業」につきましては、本年10月から申請受付・給付することを目標に事務を進めたいと考えておりますのでよろしくお願いいたします。

 3点目は、「元気な行方市になるための産業の振興」についてでございます
 まず、行方市の基幹産業でございます農業については、なめがた新規就農活力応援金の制度を新設し、市の単独事業として就農者一人に30万円の応援金を贈ることといたしました。これは、国の制度である青年就農給付金では対象とならない、親元就農をする人も応援しようとするものでございます。農業担い手の高齢化を放置しますと将来的な農業生産力低下は深刻な問題となってまいります。国の制度に頼ることなく、地域にあった制度を運用することにより、次世代を担う青年農業者の確保と育成を進めてまいります。
 農産物の販売促進、6次産業の推進については、食彩マーケット会議や筑波大学との連携、イベントへの参加など、これまで積み上げてきた流れを継続し、「儲かる農業」を目指して行きたいと考えております。消費者交流事業、食農教育事業なども引き続き実施してまいります。この度、行方市のもち米を使用した「願いかない勝つ気餅」という合格祈願のかき餅を、あさ川製菓及び茨城放送と共同企画して販売を開始しました。今後も、民間企業との協力・連携による農産物の販売促進を進めて参ります。
 商工観光関係では、「市民まつり」の開催を計画しております。これは、これまで開催されてきました「あきんど祭り」あるいは各課が実施してきたイベントを集約し、市民参加型の「市民まつり」として再構築していこうとするものでございます。詳細については、関係団体等と協議を重ね開催の時期や場所を確定したいと思っております。観光では「霞ヶ浦ふれあいランド再整備事業」に着手したいと考えております。26年度は、まず基本計画を策定し、今後の方向性などを模索していきたいと考えております。また、鹿行大橋や北浦大橋の付近や天王崎の付近の水辺空間においても、観光交流の拠点として多くの人が訪れて楽しめる場所として、将来にわたり観光環境の充実を図り、地域の活性化に繋げたいと考えています。

 4点目は「夢の持てる行財政改革」についてでございます。
 私は、所信表明において継続から改革へと申し上げました。先人の業績に敬意を表し、学び、そしてそこから新たな道を探ってゆきたいと考えております。26年度は、新たな道を探る準備の年にしたいと考えております。これまでも、行政改革新集中改革プランや事務事業評価で、事務事業の点検を行ってきたわけでございますが、市民の満足度調査などは行われてきませんでした。事業を採択するに当たり、「市民が求める事業」・「市民が満足する事業」の視点を強めなくてはなりません。既存事業の改革なのか、廃止なのか、あるいは継続なのか、それらを仕分けるためのシステムづくりに着手したいと考えております。予算的には、少額ではございますが、研修費等を予算化いたしました。
 さらに、26年度は市役所組織機構の改革に向けた協議を進めてまいります。まず、子育て支援を充実するため、先行して「こども福祉課」を創設いたしますが、26年度は、改めて全体的な組織機構の点検をしたいと考えております。そのポイントは、市有財産を有効かつ効率的に管理するための組織機構についてであります。学校跡地、KDDIから取得した用地、手賀地区のゴルフ場跡地など、その活用は行方市の地域振興に大きなポイントとなるはずでございます。続いて先ほど申し上げました、事業の見極めを行うための組織機構のあり方でございます。政策決定のシステム等を点検してまいります。最後に現在の部制や課のあり方が行政サービスに効率的であるかどうかの点検でございます。まずは内部協議を進めてまいりますので、よろしくお願いいたします。

 5点目は、「市民生活基盤の拡充」でございます。
 道路整備においては、通学路の整備を最優先で行ってまいります。麻生中学校の国道355号からの通学路、玉造小学校の一般県道山田玉造線からの通学路、北浦統合小学校の国道354号からの通学路については最優先で改良工事を実施してまいります。
 また、「特定防衛施設周辺整備事業」「再編交付金事業」「農業基盤整備促進事業」「狭あい道路整備等促進事業」「防衛施設周辺道路整備事業」につきましても、引き続き実施をしてまいります。道路の改良、あるいは補修につきましては各地区の区長さんからご要望をいただいている案件に、十分にお応えできていない実情がございます。予算の関係、あるいはその他の問題により皆さんに満足して頂くには時間がかかっております。しかし、時間をかけて、一つひとつ地域の皆さんからのご要望にもお応えしたいと存じますのでよろしくお願いいたします。
 なお、戸別浄化槽整備事業については60基の整備を予算化し、整備を継続してまいります。

 以上、本年度の重点施策と市政運営に対する所信の一端を申し述べました。

 続きまして、本年度の予算について申し上げます。
 一般会計は174億3千万円で前年度比、0.2パーセントの減でございます。予算編成にあたっては、歳入状況を考慮しながら、極力予算の肥大化を防ぐこととし、本市の身の丈に合った予算編成を目指しました。なお、国民健康保険特別会計の国民健康保険税について、26年度から一人当たりの税額を3年間で約20パーセント引き上げて歳入の確保を図る予定でございました。しかしながら、先般の台風26号の被害によって、農業所得の減少が見込まれるなど、税率変更が市民生活に深刻な影響を及ぼすことが推察されます。そのような状況を踏まえ、26年度においては、国民健康保険税の税率を引き上げるものの、引き上げ幅を5パーセント程度に抑制するとともに、27年度以降の税率については白紙とし、改めて検討することといたしました。結果的に、特別会計を加えました全体の予算規模は274億3千5百20万円で前年度比は0.9パーセント増となり、予算規模的にはほぼ前年並みとなりました。安倍政権への期待感から、円安株高の傾向が見られるものの、先に申しましたとおり消費税の引き上げにより、今後も不透明な状況は続くものと考えられます。
 行方市においては、歳入において、市税収入の若干の伸びが見込まれておりますが、このまま増加傾向が続くことは楽観できない状況であります。歳出については、教育関連予算が大きな割合を占めております。北浦統合小学校の開校までは学校建設費及び通学路整備等に大きな比重がかかると考えております。財政状況としては、財政健全化法で定められた指標のうち、実質的な借金返済の割合を示す「実質公債費比率」や「将来負担比率」「財政力指数」など、当面は健全な領域にとどまる見込みでありますが、今後も、これらの財政指標を注視しながら、健全な財政運営に努めてまいりたいと考えております。
 予算の詳細については、別に担当の者から詳しくご説明を申し上げます。

 それでは、今期定例会の案件についてご説明いたします。
 今期定例会には29件の案件を提出いたしました。条例案件が7件でございます。いずれも条例の一部改正を行うものでございます。続いて補正予算でございますが、平成25年度行方市一般会計補正予算をはじめ、すべての会計予算の補正予算案を提出いたしました。行方市道路線の廃止、変更、認定がそれぞれ1件でございます。続いて、財産の贈与に関する案件が1件でございます。これは、行方市が所有する下淵コミュニティセンターを下淵地区に譲与をするものでございます。
 続いて、平成26年度一般会計予算をはじめ各会計予算案9件を提出いたします。詳細については、後程、担当の者からご説明を申しあげますので、慎重にご審議のうえ、適切な議決を賜りますようお願い申し上げます。

 最後になりますが、目まぐるしく変化する社会経済情勢やなかなか歯止めがかからない少子化。そして加速する高齢化の波など地方自治体を取り巻く環境は依然として厳しいものがございます。しかし、市民一人ひとりが「行方市に生まれてよかった」、「住んでよかった」と思えるよう、すべての英知を結集し、決して臆することなく山積する課題に取り組んで行く覚悟でございます。

 市民の皆様、そして市議会議員各位のご理解とご協力を重ねてお願い申し上げ、私の施政方針並びに提出議案の説明といたします。

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